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「言いたい放談」<24>(2008年6月20日)

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こみ合う新幹線での車内放送。「自由席のお客様!一人でも多くの方が座れますよう、小さなお子様はひざの上にお乗せください」「本日、自由席には車内販売は参りません」。どこが自由やねん、不自由やがな。


そもそも、自由席を英語では何と言うか。NONRESERVED SEATS。「指定されていない席」となります。自由という字句はありません。


ちなみに和英辞典で「自由」と引くと、FREEDOM(フリーダム)とかLIBERTY(リバティー)といった単語が出てきますが、どちらも自由席の場合は用いません。「フリーシート」と言ったら、「無料席」になってしまいます。


どうも日本人は自由という言葉をいろんな場面で柔軟に使う傾向があるようです。「小冊子をご自由にお取り下さい」「行くか行かないかは君の自由だ」「彼女は七カ国語を自由に話す」。英訳では、フリーもリベラルも一切使いません。


英語で言う自由、すなわちフリーダムとかリバティーは、束縛から解放された、いわば生きる権利を勝ち取る意味合いが強いのです。実は、このイメージの相違にこそ、貿易不均衡を助長させる要因があるのです。「穀物メジャー」の成長の陰には、国内向けには米政府が補助金を出し、外国には自由化を要求する二重基準が存在します。日本でも「自由とは強者がさらに勝つ事」と教えては?