小米朝流「私的国際学」<10>(2001年3月10日)

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の開幕まであと3週間。此花区だよ、此花区!大阪駅から13分で異次元空間に入れるのが何よりも魅力。天保山と船で連絡しあっているのもおしゃれだ。「これぞ景気浮揚への最後の砦や」と、が然、色めく大阪人。その中にまじって、私もプレオープンでにぎわうUSJに行ってきた。

正面ゲートで「ショーほどすてきな商売はない」の音楽に迎えられ、思わず足どりが軽くなる。映画をテーマにした18のアトラクションはハリウッドならではのもの。「ターミネーター2」の3Dサイバー・アドベンチャーは迫力満点だし、「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」は早い話〝急流すべり〟なんだけど、落ち方がすさまじい。「バック・ドラフト」に至っては日本では絶対に消防署が許可しないであろう火災再現の館だ。そう、ここは日本にあって日本ではない所なのだ。

大阪市が筆頭株主であるため、USJの社長に大阪市港湾局長だった阪田晃氏が就任。そして、副社長兼最高運営(執行)責任者にはロバート・ゴルト・ジュニア氏が就任した。この副社長兼最高執行責任者という図式は三菱自動車や、こないだまでの日産と同じだ。日本にある外国企業ってこと。まあ、社長の意見はほとんど通らないだろうが、オーサカの知名度はうんと上げてもらえるにちがいない。

USJはまさに大人のための娯楽施設。ミュージカル好きの私は、アメリカン・サウンドに包まれて、夢心地に浸ることができた。ただ、案内係や店員の表情に時々ぎこちなさを感じた。どんな仕事であれ、テーマパークで働く人は舞台人だよ。流れる音楽に合わせ立ち居振る舞いをしてほしい。USJが東京ディズニーランドと肩を並べることができるかどうかは5500人のアルバイトの皆さんの手にかかっているのだから・・・。頑張ってね。