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2010.09.08 「おぺらくご」


まずは3日(金)、東京・千駄ヶ谷にある国立能楽堂での「落語&おぺらくご」。この公演ではとても面白い空間を作ることができたと思います。


何と言っても、楽屋に入った瞬間、私は得も言えぬ木の香りに癒されました。ヒノキなのか何なのかよく分かりませんが、楽屋の柱や調度品の一つ一つに趣きを感じました。大槻文蔵さんや梅若六郎さん、観世銕之丞さんといったお歴々が活躍しておられる所に入れること自体、とても感激しました。特筆すべきは、スタッフの方々がとても親切だったことです。「国立はお高く止まっている」と思われがちですが、決してそんなことはありません。(天下りのオッサンは別として)現場の職員さんはとても丁寧で情のある方ばかりでした。私が楽屋で「ここのスタッフ、気持ちええなぁ」と言ってたら、「初台の新国(新国立劇場)のスタッフもいいですよ」と弦楽カルテットのメンバーが口を揃えておっしゃいました。


あ、そうでした…この日は能舞台で弦楽四重奏の演奏で“おぺらくご『フィガロの結婚』”を上演したんです♪


言うまでもなく、ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器は木で出来ています。それが能舞台という木造家屋の中で奏でられると、木の音色がどんどん伝わってくるのです。しかも舞台の屋根が反響板の役割をしてくれて、当日は西洋楽器による幽玄の世界が現れたと言っても過言ではありません。ヴァイオリンの崔文洙(チェ・ムンス)さんも「弾いてて、とても気持ちいいですね」と言ってくれました。そんな中で落語ができたんですから、私は本当に幸せ者です。


そして、私の落語に彩りを添えて下さったのが、二期会のメゾ・ソプラノ、池田香織さん。橋がかりからケルビーノ役で登場した瞬間、落語とオペラが一つになったと実感しました。あとの酒宴が盛り上がったのは言うまでもありません。


そうそう、能舞台ゆえ、全員(洋装の人も)白足袋を穿いて登場したことを付け加えておきます。


その興奮醒めやらぬまま、次の日は落語とギターのコラボに出会いました。

(続く)