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小米朝流「私的国際学」<23>(2001年6月9日)

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殺人事件が日常化しつつある。何ら責任を感じぬ加害者たち。自由・平等・権利とやらで、学校教育において真の男らしさを教わる機会を失ったことが大いに関係すると思うが、今日は突然キレる若者が増えた社会的要因を考えてみる。次の3つにまとめた。


1.ヴァーチャル――パソコンが普及し、家に居ながらにして世界の情報が分かる。しかし、子供がテレビゲームに没頭する姿を見るにつけ、不安になる。「あ、マリオがまた死んだ」という声にドキッとするのは私だけか。


2.電磁波――今や持たない人を探すほうが難しい携帯電話。「この電磁波は電子レンジと同じ強さです」と言われても、目に見えぬ。第一、もはや手放せない。ケータイの電磁波が脳障害を起こすか否かの答えが出るのはかなり先(郵政省の調査も2004年までかかる)。超音波やMRI(磁気共鳴映像法)の身体への影響についても、実はわからぬままだ。


3.食生活――ここ20年の「食」の変化は凄まじい。ファストフードで晩ごはんが済ませられる人が現れた。その結果、食品添加物の味付けに慣らされてしまった。本物の味が分からないって怖いよねぇ。


これらに共通するのは〝便利〟という言葉。便利さを享受することで、代償が必ず来るんだよね。今一つは〝触れ合いの欠如〟。人は人と話し合ってこそ、喧嘩したり、仲直りしたりできるもの。ところが、コンビニの登場で〝触れ合い〟から解放された。家族にも心を開かず、社会にも背を向け、ヴァーチャルを楽しむ若者。だが、そこにもストレスやトラブルは生じる。そんな時、人間的解決がわずらわしくなって、突拍子もない行動に出るのではないか。


世の中、いろんな情報が流れているが、中身を把握するのは自分の頭だ。アナログ的な判断ができる人こそ、今後ますます求められるようになるだろう。