トップへ

小米朝流「私的国際学」<16>(2001年4月21日)

 TOP » 過コラム一覧 » ①産経新聞「小米朝流・私的国際学」 » 小米朝流「私的国際学」<16>(2001年4月21日)

自民党総裁選――私は昨日までは、いくら小泉純一郎氏の人気が高まっても、現実には麻生太郎氏の理論で事が運ぶものだと思っていた。すなわち、「経済再生にはさらなる財政出動が必要である」という考え方で・・・。


今、膨大な不良債権を直接償却すれば、多くの企業を倒産に追い込んでしまう。そこで、表向きには銀行が債権放棄をすると発表し、その実は〝受け皿機構〟を用意して、そこに買い取らせる。赤字国債の発行などでカネをどんどん作り、受け皿機構が負債を抱え込む。その債権(証券)を細分化し、外資系に安く売却して、インフレを誘導してもらう。金銭価値の激減と同時に国の借金をチャラにするという手順で進むものと思っていた。


ところが、このハイパーインフレの行く末に不安を感じる人が非常に多い。また、地上げ屋や三セクの無理な開発のツケを国民が負わされているにもかかわらず、当の責任者は何のおとがめもなく、一億円近い退職金で優雅に暮らしている現実に、サラリーマンや自営業者や企業経営者まで反発。たとえ大根役者でも小泉氏のひたむきさに同調する議員も増えてきた。ひょっとしたら今回はホンマに政界再編が起こるかもしれへんぞ・・・。


集約すれば、争点はただ一つ。カネをつぎ込むか否か。小泉氏は「日本丸という泥船が沈みかけている。今のうちに早く木の船を造ろう。規模が半分になってもよいから、5年後に健全な船で出直そう!」と言い、麻生氏は「今、財政緊縮したら息の根が止まる。銀行救済は国民の安寧に不可欠。日本丸の補修に多額のカネを投じよう」と反論する。


もっと言えば、みずほグループをどうするかだ。小泉氏は「仮に、みずほが潰れても中小企業は生き残れる。体質を改善しよう」。麻生氏は「みずほが潰れたら日本はおしまい。借金漬けでも働き続ける限り大丈夫」。


あなたはどっち?