2014.05.01 《日光~中禅寺湖、前編》

私はこの齢(トシ)になるまで一度も日光に行ったことがありませんでした。


訪れなかった理由の一つは、大阪からは時間がかかること。


空路は無いし、新幹線を利用しても、東京駅から二度ほど乗り継ぎをせねばなりません。浅草か北千住まで出て東武鉄道に乗るか、東北新幹線で宇都宮まで行ってJR日光線に乗るか…、どちらにしても5時間近くかかってしまうのです。


大阪人にとって、日光は北海道や九州に行くより“遠い”ところf(^_^;


でも、最近、私の周りの人達があまりにも「日光はいいよ」と言うものだから、駆け足ではあったけど、生まれて初めて“日光浴”してきました\(^o^)/


いやいや、なるほど時間をかけて行くだけの値打ちはありました。その昔、徳川家康公が足繁く通い、やがて天海大僧正や徳川家光公により権現として祀られる日光東照宮が造られただけのことはあるなぁと感心した次第。日光山内に林立する杉のパワーのなんと伸びやかなこと!


長年、江戸(東京)が繁栄してきたのも、徳川家が(上野の寛永寺も含めて)日光を信仰してきたお蔭かもしれません。


但し、東照宮の派手な色彩の建物には…私はちょっと馴染めませんでしたがf(^_^;


しかし、日光山内の杉木立には大きなエネルギーを感じました(^0_0^)


日光連山の中心にある男体(ナンタイ)山、そして女峰山、太郎山などを御神体とする信仰は、それこそ太古の昔からあったでしょうが、いわゆる山岳信仰としての開祖は天台宗の僧侶、勝道上人。


766(天平神護2)年──、この地で修行をしている時に紫の雲が立ち上がったことに感銘を受けた上人が、紫雲立寺(現在の四本竜寺)を建てたのが、日光の山岳信仰の始まりと言われています。


以来、日光山は神仏習合という形で篤い信仰が持たれてきたんですね。


お寺としては日光山輪王寺が、神社としては「日光三社」が、聖地日光の原点と言われています。早速、その原点をお詣りしました。


まずは、日光二荒山神社。「ふたらさん」と呼ばれていて、下野国一之宮です。


余談ですが、栃木県の旧国名である「しもつけのくに」は本来、下つ毛の国であるのですが、なぜか下毛野国の「野」ではなく「毛」が省略されてしまい、下野国という読みにくい表記になってしまいました。群馬県の旧国名である上つ毛野国も「毛」が取れて、上野国という表記になってしまったのです。


今でも「こうづけのくに」を「上毛(ジョウモウ)」と呼ぶのは、本来の国名を音読みしたものです。でも、「下毛(ゲモウ)」とは言いませんね。何か変なものを連想するからでしょうか(^o^ゞ


それはさておき──。


日光二荒山神社は男体山をご神体とし、大己貴命(オオナムチノミコト)が祭られています。


ちなみに、二荒山は男体山の古名(同じ山のこと)。「ふたらさん」の語源に関しては、観世音菩薩が宿るとされる「補陀洛山」説や、男体山と女峰山が二つ現れたとする説など、諸説あります。


その二荒(フタラ)を音読みにして「にっこう」と読ませ、日光という字を充てたのが、地名の由来だそうです。


再び、閑話休題──。


日光二荒山神社の創建は767(神護景雲元)年で、男体山の頂上にある奥宮は、勝道上人が登頂に成功した782(天応2)年に建てられ、その二年後、麓の中禅寺湖畔に中宮祠が建てられました。


毎年4月13日~17日、日光二荒山神社は弥生祭で賑わうそうです。


神苑の「高天原」と称する(祭りの時に神輿を置く)場所でカメラのシャッターを切ったら──、


なんと神々しいことよ(^人^)


さて、「日光三社」の二つ目は、滝尾神社。「たきのお」と読みます。



女峰山をご神体とし、田心姫命(タゴリヒメノミコト)が祭られています。安産子種石という霊石を目指してお参りに来る人も多いのだとか。



社殿は只今改築工事中でしたが、とても厳かで強い神氣を感じました。


空海も修行したと伝えられる白糸の滝。


すぐ傍には滝尾高徳水神社という別社がありました。ここには奈良県吉野郡の丹生川上神社から分霊された罔象女神(ミズハノメノカミ)が祭られていました。


と言っても、二年前に訪れた奈良県吉野郡下市町の丹生川上神社下社でもなければ、吉野郡川上村の丹生川上神社上社でもありません。東吉野村の丹生川上神社中社です。


さてさて、「日光三社」の三つ目は、本宮神社。「ほんぐう」という名前から分かる通り、元々、ここがお社の建てられた所だったそうです。太郎山をご神体として、味耜高彦根命(アジスキタカヒコネノミコト)が祭られています。

日光山を流れる大谷川(ダイヤガワ)にかかる神橋(シンキョウ)。


そのすぐ近くにあるにも拘わらず、本宮神社に訪れる人は少なく、ひっそりとしていました。



兎にも角にも、三社にお詣りして神氣をいっぱい戴いた私は、いろは坂を越えて、中禅寺湖へと向かいます。龍神さんに出逢えそう☆


続きは、後編で(^0_0^)