2012.11.13 「燃ゆる秋──奈良県の山あいを満喫、Part 1」

紅葉の季節の到来。京都や奈良の市内は観光客で一杯であるため、美しいには違いないけれど、なかなか心休まる思いには至りません。

 

そんな時──、奈良県の山間部が穴場でお薦め(^0_0^)

 

先日訪れた明日香村~下市町~天川村~川上村の周遊は、心を癒すに充分の旅となりました。今や私のライフワークの一つとなった神社仏閣巡り。今回も明神さん親子とともに連れ立つ深ぃ~い旅となりました(^o^)

 

主な目的は、丹生川上神社下社と上社への参拝。そして、天川村で龍神さんや観音さんの氣を感じること──。一応そんな目標を立てながらも、行く先々で気になった場所には必ず立ち寄ろうという、良く言えば“未知との遭遇”、悪く言えば“行き当たりばったり”の旅。

 

案の定、まずは飛鳥で寄り道です(^o^ゞ 今回は大和三山の一つ、天香久山を散策しました。標高152mの小高い丘という感じの山ですが、穏やかな神氣に満ちた森に囲まれていました。山の南麓には巨石を御神体とする天岩戸神社が、北側には櫛真智命(クシマチノミコト)を祭神とする天香山神社がありました。

 
天岩戸神社のお社の奥には沢山の精霊たちが迎えてくれました……とは明神さん親子の弁(^o^ゞ

 

頂上には國常立命(クニタチコトノミコト)と高龍神(タカオカミ)を祀っている國常立神社があると書かれていましたが、なぜか今回は登らずf(^^;  その代わり、山の中腹にあった「月の誕生石」という石を見っけ!

 
不思議な石です。花崗岩の巨石なのですが、妊婦さんが腹帯を巻いているかのような白い筋が一本、石を包むように切れ目なく伸びているのです。そして、傍の立て札には伝説が書かれてあって、「この石は初めは小さかったのに、だんだん大きくなって、赤ちゃんを産んだ」とのこと。

 

天香久山は、大和三山のほかの二つ(畝傍山・耳成山)と違って、火山ではありません。多武峰を含む龍門山系の一部だとか…。飛鳥時代には天に繋がる“聖なる山”として今以上に崇拝されていたんでしょうね☆☆☆

  
神社の近くに、飛鳥時代のチーズと言われる“蘇”という食べ物が売られていました。「今夜の酒の肴に」と一箱購入。細かく細かく切って、少しずつ口にすると…まさに濃いチーズのようです(^q^)

 

さて、明日香村を後にし、一行は丹生川上神社下社(ニウ・カワカミジンジャ・シモシャ)へと向かいます。丹生(ニウ)とは水銀のこと。中央構造線が走る紀伊山地は古代から水銀の産地として有名でした。朱色の砂である辰砂(シンシャ)などが丹(ニ)と呼ばれ、特に古代においては染色の顔料や防腐剤、メッキの材料として重宝されたと言います。

 

 

奈良県吉野郡下市町にある丹生川上神社下社。御祭神は闇龍神(クラオカミ)。境内は厳かな空気に包まれています。お社の奥には龍神さまが休んでおられるよう…。そして──、本殿横に聳える大樹を見るなり、あまりの堂々たる姿に私は圧倒されました!

 

 

おそるおそる近づき、幹に触れると、大地に包み込まれるような感覚になりました。そして、「どうでもいいさ。なるようになるよ」という言葉が、自分の心にこだまするように聞こえてきました。言葉の主は樹齢千年の元気なおじいちゃん。私は大きなやすらぎを与えられ、そこを後にしました。心の中にとても温かい何かが入ったようでした。

 

さて、天川村に到着。村の入口のお土産屋さんで道を尋ねたところ、そこのおばさんが「折角ここまで来たんなら、栃尾の観音堂に行かれたらええよ。紅葉も見頃やし、ええ天気やしね」と素敵な笑顔で教えて下さいました(^ー^)

 

でもね、我々にはまず行く所があったんですf(^^;  実は、ある人から「天河弁財天社の向かいの来迎院というお寺の境内が気持ちいいですよ。大きなイチョウの木が目印です」と聞いていたので、まずはそこへ直行。何とそこには、これまた遥か昔から育って来たのであろう大きな銀杏の木が、悠然と聳えておりました。

 

ひょっとして弘法大師が植えた木だったりして…f(^_^) まるでこの木にこそ観音さんが宿っているのではないかと思わせるほど、やさしい空気に包まれた境内でした。

 

「そうそう、栃尾って所にも行きましょうよ」と私が皆を促し、土産物屋のおばさんの言う通りにクルマを走らせると、着いた先は円空仏の観音堂。

 

円空上人(1632~1695)──江戸時代の美濃国出身のお坊さんです。23歳で出家し、32歳の時「木仏12万体彫刻」の悲願を打ち立てて諸国を行脚。大峰山系に抱かれた修験道の聖地である天川村にも滞在されたのだとか…。

 

聖観音菩薩立像はとても柔和な笑顔を振りまいておられました(^ー^) 木仏に見入っていると、そこへ一人のお爺さんがひょっこり現れ、仏像の話を朗々と喋り出されました。訊けば、このお堂を守っておられる瀬上さんというお方。

 

 

「わしゃ、あんたがたのこと気に入った」と言って、特別に観音様の写真撮影を許可して下さいました。「わぁ、嬉しい」とカメラを向けた途端、何と観音様が大きくニコッと笑ったのです。僕と明神さんは顔を見合わせてビックリ! 「あぁ、どんどん目尻が緩み、口角が上がって来てるよ!」

 

 

円空上人の凄さを思い知らされました☆☆☆

 

瀬上さんは、「観音さん、喜んどるんじゃ。あんたにこれあげる」と、奉賛会の会長さんが彫られたというマスコットの木仏をプレゼントして下さいました。「その代わり、来年の4月18日に大祭があるから、必ず来てや」と。こればっかりはマネージャーに訊いてみないと…しばらくお待ちを(^_^ゞ

 

 

この日はその後、龍泉寺にお参りし、龍神さんの氣を沢山いただきました。

 
紅葉が美しい龍泉寺の境内。

 
境内にある洞川(ドロガワ)名物の「なで石」。


この石を初めにパシパシ叩くと、持ち上がらないのです。


なでなですると、スッと持ち上がる。ホンマに不思議!

 

そして、夕刻に洞川温泉郷に到着。本日の宿泊先は久保治旅館。ここの料理がめっちゃ美味しかった(^q^)  明日はどんな出逢いがあるんやろ☆☆☆

 

(Part 2 に続く)