2012.06.22 「安藤忠雄&石黒浩&桂米團治の座談会」

21日(木)、大阪市北区豊崎にある安藤忠雄建築研究所で、安藤忠雄&石黒浩&桂米團治による「これからの日本のあるべき姿」と題する座談会が繰り広げられました(^0_0^)  但し、今回はお客さんを交えての会ではなく、産経新聞の紙上討論の形式によるものでした。

 

私は建築家の安藤忠雄さんとはかねてより親しくさせていただいており、またロボット博士の石黒浩さんとは“米朝アンドロイド”のことで近頃親しくお喋りさせていただくようになった間柄ですが、安藤さんと石黒さんは今回が初顔合わせ! どんな話になるのかなぁと期待と不安で胸をときめかせていたところ、さすがは世界を股にかけて活躍しておられるお二人、最初から相手に対して自分が興味を覚えることをどんどん質問され、お互いがそれに的確に答えて行かれました。

 

「独創的な閃きを生み出すエネルギーはどこにあるんですか」との私の質問に、二人とも「ある種、自分を崖っぷちに立たせておかないと、創意工夫は生まれません」との答え。石黒さんは三年ごとに赴任先の大学を変えて来られたんだとか(大阪大学での在籍は長いけれど、学部を変えておられます)。ネタ数も少ないくせに、すぐに自分の高座スタイルに安堵してしまう傾向にある私は、少々恥ずかしくなってしまいました(^o^ゞ

 

「1985年のプラザ合意から日本の経済はおかしくなってきたことに国民が気づかなあかん。気づかせへん政府も悪いし、教師もボーッとしとる。ゆとり教育を受けた学生が社会に出始めると、大変なことになるやろなぁ」という安藤さんの発言から、話題は「今、日本は危機にある」という点に集中しました。財政、外交、教育、文化…と、話は多岐に及び、「日本再生には、細分化された専門分野だけを見つめるのではなく、総合的に捉えられる力──、いわゆる哲学の精神が必要。あとは遊び心や」という意見で合致しました。

 

「既得権益は守りながら、何としても税率は上げるんだ」という今の風潮は、まさに政府とお役人が日本の危機を感じていないことの証左だなと痛感しました。

 

二時間に渡り白熱した座談の最後に、私が「世界で活躍するお二人が共同で何か作って下さいよ」と水を向けたら、「それ面白いなぁ」と、安藤さん。続いて、石黒さんが「実は、アンドロイドがいる家の設計をしていただきたいと思っていたんですよ。ウチの仲間はアンドロイドのことをいつも“アンドー”と呼んでいるもので」と、オチまで付けて下さいました(^ー^)

 

紙面掲載は7月中旬だそうです。お楽しみに!

  
安藤忠雄さんの仕事場で話に夢中になる三人。