2022.12.10 《 文化都市だよ松山は 》

私の持論に「地方都市の文化水準の度合いを測るには、次の三要素の有無に注目すべきだ。すなわち、温泉、お城、路面電車を有しているかどうかということに」というのがあります。

火山国である日本は太古の昔から温泉の恩恵を受けてきました。湯治療法も我が国が誇るべき文化です。また、戦国の世から江戸時代にかけて城は不可欠なものであり、今なお建築美術の最高峰に位置します。そして、明治以降に整備された鉄道網を市街地にも導入すべく、全国各地の主要都市に路面電車が走るようになりました。ところが、これら三つとも高度経済成長の波に揉まれ、「維持するには…ちょっと、お荷物」と疎まれた時期があったのです。それにも拘らず、令和の今日まで守り続けている都市は充分称賛に値すると言えましょう。

温泉、お城、路面電車。これらをすべて有している地方都市が松山なのです。都道府県レベルでは三つを有する所は沢山ありますが、市町村単位で揃っている所は松山市をおいてほかには知りません。

まずは温泉。昔も今も道後温泉は観光の目玉です。地方蔑視が強かった夏目漱石が松山に赴任して、この地が好きになったのも宜なるかな。道後温泉本館は「坊ちゃん湯」として親しまれています。今は保存修理工事真っ只中の道後温泉本館。2024(令和6)年12月の工事完了が待たれます。

松山城は徳川家の親藩であった松平氏が城主を勤めてきました。明治維新以降もお城を守ったことにより、今や松山市が世界に誇る歴史的建造物となりました。標高132mの勝山に聳える天守へ行くには徒歩・リフト・ロープウェイの三通りから選べます。天守から眺める景色は最高! 時の経つのを忘れるほどの心地良さ(^◇^)/

下界に降りれば、路面電車が大活躍。市民はもとより、観光客の人気の的です。

それだけではありません。松山はファッションセンスが抜群! 一度、商店街を歩いてみて下さい。たちまち納得されることでしょう。しかも、居酒屋には瀬戸内の新鮮な食材が勢揃い! 「おいでおいで」とお客を招く毎日です。

文化都市、松山で2019年に「まつやま落語まつり」が始まって、今年、第3回を迎えました。立ち上げから私が制作に関わっておりまして、上方落語と江戸落語、双方の魅力を伝えようという趣旨で開いています。東京からは第1回には春風亭昇太さん、第2回には林家正蔵さんをお迎えし、大いに盛り上がりました。今年は三遊亭円楽さんをお招きする予定でしたが、突然の訃報が入り、急遽、桂文枝お兄さまにお願いしたところ、ご快諾をいただき、盛況裡に終えることができました(^人^)

毎年の終演後の打ち上げも楽しみの一つ。第1回から参加してくれている桂米紫くんと春風亭昇也くん、いつもおおきに! 今年は松山出身の入船亭遊京くんも加わり、大いに弾けました(^◇^;) 幸い、松山市長の野志克仁さんは学生時代、落語研究会に所属していたほどの落語好きでいらっしゃいます。これからも毎年12月初旬には「まつやま落語まつり」を開き、やがて松山の冬の風物詩となればなぁと考えています。どうぞ皆様のお力添えを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。