2014.06.26 《片岡紫江先生の「お別れ会」、華やかに終了》

今年の3月10日に脳梗塞で急逝された宝塚在住の書道家、片岡紫江さんの「お別れの会」が、25日(水)に宝塚ホテルで行われました。

 

 

 

しめやかに…と言うべきところですが、とても華やかに繰り広げられました☆☆☆

 

私は景風会主宰の片岡先生には大変お世話になっておりました。噺家になったばかりの私をご自分の書道会のパーティーに招いて下さり、なんでも好きにおやり下さいと仰ったのです。

 

私は覚えたばかりの『たぬさい』を必死に演じ、趣味でやっていたトランプ手品を披露させていただきました。

 

おそらく拙い高座であったに違いありません。でも、片岡先生は「良かったわよ。これから毎年お願いしますね」と仰り、以来、三十有余年、私は景風会の座付き司会者として可愛がっていただいたのです。

 

 

 

毎年のクリスマスパーティーでお逢いするのが楽しみでもあり、生き甲斐ともなっていた私です。

 

「お別れ会」でも、司会を勤めさせていただきました。

 

 

 

会場となった宝塚ホテルには300人を有に越えるお客様が集まり、祭壇に片岡紫江先生の大好きだった紫のカーネーション(ムーン・ダスト)が献花されて行きました。

 

国内はもとより、海外でも大いに書の啓蒙に尽力された片岡先生──。その活躍ぶりをスライドで振り返り、その後、宝塚市長の中川智子さんや、「千草会」会長の芝松翠先生はじめ、親交の深かった方々からお言葉をいただきました。

 

随所で涙と笑いが起こり、最後は感謝の気持ちを込めての大拍手で先生を送りました☆☆☆

 

「お別れの会」の後、隣の会場で片岡先生を偲ぶ食事会を実施。そこでは昨年のカナダ・バンクーバーでの揮毫(キゴウ)の様子がスクリーンに映し出されました。

 

 

『源氏物語』の「若紫」「梅ヶ枝」の段の朗読に合わせ、長さ6メートルの巻子(カンス=掛軸)に揮毫されるさまは圧巻! 会場にどよめきが走りました。

 

粗供養には墨彩誌500号記念「筆つれづれ」という冊子が配られました。

 

 

 

これは先生が30年有余年にわたり毎月「墨彩誌」に書かれていたエッセイなのですが、それを今年初めに墨彩会会長でいらっしゃる米幸峰(ヨネ・コウホウ)さんの肝煎りで「一冊の本に纏めよう」と発案されたもので、先生がお亡くなりになった直後に完成したもの。初の随筆集が粗供養の品となったのです。

 

私は今、これを読んで感極まっております。「書道、特に“かな”に対して、これほど分かりやすく解説している本がほかにあるだろうか」と。

 

正直に、がむしゃやらに生きて来られた片岡紫江先生の魂を忘れることなく、私もこれからなお一層芸道に精進いたします↑↑↑