「言いたい放談」<21>(2008年3月28日)

桜花爛漫――。このところ大阪より東京のほうが早く開花するのが不思議ですね。三年前の春、上野公園に立ち寄った時のこと。大阪はまだつぼみだったのに、東京は満開。左右から伸びる枝が幾重にもつらなり、舞うがごとくの桜の帯に、私は時がたつのを忘れるほど見とれてしまいました。

そしてもうひとつ、ゴミ箱の数の多さと形状にも圧倒されました。何と八分割されているのです。可燃ゴミ、不燃ゴミ、瓶、缶、発泡スチロール・・・などと書いてあるのですが、驚いたのは花見客が皆、指示通りに捨てている事実。真っ赤な顔したおっさんがきっちり分別して捨てている!大阪では考えられへん。いくつに区切られていても、全部一緒に山積みされるのがオチですもんね。私は東京人の誠実さを垣間見ました。

でも、決して大阪人が不誠実というわけではありません。もともと大阪にはゴミの分別意識がないのです。大阪市の場合、空き缶や段ボールといったカネになる資源ゴミは業者などが回収し、あとは丸ごと一緒に焼却するという形を取ってきたからです。

実は私、このなにわ方式に賛同しています。律義に細かく分別して長いこと放置したり、再生するのにおカネが余計にかかるぐらいなら、いっそ燃やしたほうが環境にもやさしい結果が生じるのです。ダイオキシンも出ぬほどの高温でゴミを燃やし、その熱を電気エネルギーに換えて、14万5千世帯が一年間に使う電気量を生み出しているのです。だから大阪はゴミ処理場とは言わず、ゴミ工場と呼んでいます。焼却も一つのリサイクル!