2017.09.29 《東京~砺波~宮津~大阪、秋の長旅「米朝一門会」》

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東京・銀座での『兵士の物語』の稽古を終えた私──。翌26日(水)は富山県砺波市での「桂米朝一門会」に出演するため、富山へと向かいます。北陸新幹線が金沢まで延伸したため、便利になりました。(途中駅停車の多い)はくたかでも新高岡駅まで2時間42分。大阪へ行くのとほぼ同じ所要時間です。

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しかし、新高岡駅に降りてビックリ! 憩いの場所が無いのです。喫茶店は少し歩いた所に一つあるだけ。立ち喰い蕎麦屋も無い…。

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ひょっとして、岐阜羽島より淋しいんとちゃう !?

新高岡駅は北陸新幹線と城端線とが交差する地点にただただ作られた駅だったのです。

これなら、在来線に併走させるように新幹線の軌道を作って、高岡駅にすれば良かったのに…。ひょっとして、岐阜羽島駅を作る時のような圧力が働いたのかな。

そのくせ、延伸に際しては「新幹線の開通により在来線の黒字が見込めなくなる場合は、並行する在来線をJRから分離して第三セクターに委ねてよい」という近年の法律を遵守し、在来線の運営は地方自治体や地元の企業に託されたのです。

「新幹線を通して欲しかったら、在来線の面倒はそっちで見ろよ」という高飛車な声が聞こえてきそう(^^;)

その結果、かつての北陸本線は、新潟県エリアが「えちごトキめき鉄道」、富山県エリアが「あいの風とやま鉄道」、石川県が「IRいしかわ鉄道」となり、残るは福井県と滋賀県のみ。しかも表記が北陸本線から北陸線に変わってしまいました。

大阪人にとって、大阪から富山まで、かつては特急サンダーバード1本で行けたのが、金沢で新幹線に乗り換えなければ、どえらく時間がかかってしまうことになったのが、悲しいかぎり。

華やかな新幹線建設の陰に隠れた、もう一つの顔が見えてきます。

でも、皮肉なことに、第三セクターが予想に反し“黒字”で推移しているとのこと。地方自治の繁栄に向けて、皆さん、がんばって下さいね☆

さて──。

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この日の会場は砺波市出町子供歌舞伎曵山会館。自治組織のしっかりした所!

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ここは富山県の無形民俗文化財に指定されており、砺波(トナミ)市は約200年前から受け継がれている子供歌舞伎が今なお盛んで、老いも若きも芸事に勤しむ人が多いのだとか。

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舞台と客席の空気がピタッと一つになる見事な劇場です。

満員の会場は、終始、高らかな笑い声が渦巻いておりました(^o^)/

「お囃子紹介」 桂吉弥 & 桂吉の丞 & 桂米輝 & 豊田公美子
『阿弥陀池』 米輝
『ふぐ鍋』 吉の丞
『七段目』 米團治
   〈中入〉
『かぜうどん』 吉弥
『火焔太鼓』 南光

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沢山のご来場、心より感謝申し上げます(^人^)

終演後は、近くの料亭「覚右衛門」で歓待を受けました(^o^)/\(^o^)

築73年の母屋は、風格に満ちています。

そうそう、砺波市は高岡市と同様、旧・国名で言えば加賀国。前田の殿様のお膝元です。富山県でありながら越中ではないのが面白いところ。

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地元意識の話をしながら、「立山」や「苗加屋」といった銘酒を堪能☆

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やがて、料亭のご主人の浄瑠璃が始まり、浄瑠璃好きの南光兄さんもご満悦のひとときとなりました(´V`)♪

さて、翌27日(木)は京都府宮津市へと移動──。長旅です(^^;)

新高岡駅から一駅だけ北陸新幹線はくたかに乗り、金沢駅で特急サンダーバードに乗り換え、京都駅で今度は山陰本線を走る特急はしだてに乗車。

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車窓から彼岸花の咲き誇る田園風景を眺めつつ、約5時間の列車の旅を満喫(^^)/

福知山駅からは京都丹後鉄道に乗り入れての走行。ここは“三セク”の老舗です。まだ国鉄時代の切り捨て路線。

北近畿タンゴ鉄道という名前で、京都府と兵庫県と地元企業が出資するも、慢性的な赤字経営に苦しむ中──。

2015年、高速バスでお馴染みのウィラー(Willer)が経営に乗り出したのです!

社名を京都丹後鉄道(丹鉄)に改め、車両のデザインを一新し、宮豊線の駅名を次々とお洒落な名前に変えて行きました。

駅員の対応も気持ち良く、思わず乗ってみたくなる電車に様変わり! これから大いに繁栄されますように☆

さて──。

この日の落語会もチケットは早くから完売!

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みやづ歴史の館は、素敵な雰囲気に包まれました(^o^)/

『狸の賽』 團治郎
『手水廻し』 米紫
『義眼』 南光
   〈中入〉
『七段目』 米團治
『妻の旅行』 塩鯛

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沢山のご来場、心より御礼申し上げます(^人^)

終演後は…三年前の「塩鯛・米團治 二人会」の時には老舗旅館「ふみや」で美酒に興じたのですが、今回は仕事の関係で團治郎が運転するクルマに乗ってまっすぐ帰阪。

「ふみや」さん、美味しい焼鯖寿司をありがとうございました(^o^)

また、改めて伺いますね(´V`)♪