2012.07.03 「阿波忌部氏の直系当主、三木信夫さんの家を訪問」

 

こないだは、海部家第82代宮司がお勤めをされている籠神社へ参拝しましたが、今度はそれよりも古い家系と言われている阿波忌部の直系、三木信夫さんの家を訪ねました。

 

場所は徳島県の剣山の麓。少し前までは美馬郡木屋平村だったのですが、(郷土史が分かりづらくなる)平成の大合併で、今は美馬市となりました…f(^^;

 

それはさておき、私、三木さんとは昔からの知り合いです。トリイホールの鳥居学さんのご親戚ということで、ずっと以前に紹介されて以来、何度かお宅を訪問していました。が、長らくお会いせずにいて、今回、久しぶりの訪問となりました。このところ、こういうパターンが多いなぁf(^_^)

 

片道3時間の道のり。しかも三木さんは美味しい酒を用意して待っているとのこと──。困った時の弟子だのみ。「團治郎、空いてるか?」「は…、はい!」團治郎の運転で、鳥居さんと私は後部座席。男三人旅の始まりです。

 

 

実は、三木さんの家は国の重要文化財に指定されているのです。なぜなら、ここで古来より麁服(アラタエ=荒妙)を作ってきたから。

 

麁服──、天皇が即位する時、その儀式となる大嘗祭で着用する麻の服のこと。衣には麁服(アラタエ)と繪服(ニギタエ)の二つがあり、繪服は絹布、麁服は麻布。麻布を作るため、畑で大麻を栽培し、それを織って麁服を作り、皇居まで運ぶという一連の作業を、古来より三木家が担ってきたのです。

 

邪気を払ってくれる麻は、神社の注連縄の飾りや榊に付ける幣(ヌサ)などには無くてはならぬもの。亜麻、黄麻、ケナフ、マニラ麻…と、いろんな種類がありますが、古来から日本に自生してきた麻は大麻です。

 

昔から日本では麻が和紙や衣類などの材料として、ごく一般的に使われてきました。また、漢方薬としても重宝され、西洋医学では今なお麻酔は欠かせません。しかも、栽培時の二酸化炭素吸収率がいいので、地球環境にも適合した植物と言えるのです。

 

良いことずくめの麻に規制がかかったのは、戦後、アメリカのD社がナイロンを開発してからのこと。ナイロンの普及に際して麻の存在が邪魔になったため、日本に大麻取締り法を作らせ、以来、麻の栽培が大きく制限されてしまったんだとか…。本来、大麻は覚醒剤(アンフェタミン・メタンフェタミン)とは一線を画するのだということを知っておく必要がありますね。

 

でも、もちろん大麻吸引は違法ですよ。絶対に吸ってはいけません。

 

 

話が横へそれましたが、この日は三木さんが我々を歓待して下さいました。囲炉裏を囲んでの酒盛りです。夏なのに囲炉裏の火は暑く感じないから不思議。しかも、窓を開けてても蚊が入って来ないのがいいですね(^0_0^)  團治郎は囲炉裏に吊るされている“自在”を生まれて初めて見たようで、それだけで大感激の様子(^0_0^)  肴は穴吹川(もしくはその支流)を泳ぐアマゴ。全然臭みがなく、実に美味! 普段はあまり量を食べぬ私が、ペロッと3尾いただきました(^q^)

  

 

お手伝いに来られていた森見美子さんの手作りのバラずし(ちらし寿司)がこれまた美味! そして、トマトが大きくてメッチャ甘い! 頬っぺたが落ちるとは、まさにこのこと。地元の味を満喫しました(^ー^)

 

 

酒はなぜか秋田の濁り酒。これもぐいぐい行きました(^o^)/  この宴席には、三木さんの従兄弟であるという天田さんが同席されていたのですが、この方、元教師。酒が進むにつれ、「日本史を研究する上で、阿波をはずしてはなりません。古事記の記述でも、国の始まりは淡路島(=阿波路島)で、その次が四国です。そもそも阿波は古代イスラエルの10部族とも関係がある」などと、古代史(誇大史)論を大いに展開されました(^0_0^)

  

「大麻の学名はCannabis sativa (カンナビス・サティバ)、ギリシャ語です。Cannabisは神奈備(カムナビ)に通じます。神奈備とは、神が鎮座する山や森のこと。神霊が宿る依り代がCannabis(=麻)とは、何かの繋がりを感じませんか?」「わぁ、ホンマや。古代から、西洋や中東と日本はシルクロードを介して、いろんな文化が行き来してたんですね…あっ、シルクは絹や。麁服と繪服が呼応しましたね!」

 

話の興味が尽きぬうちに、はや夕方。名残を惜しみつつも、家路に就きました。


 

三木さん、どうもありがとう! あぁ、團治郎も、行き帰りの運転おおきに! そうそう、この日は、行きしは虹色の彩雲が現れ、帰りには綺麗な夕陽を拝むことができました。龍神さんのお導きかも…ありがとう☆☆☆

 
大嘗祭の日が決定すると、麻を植え出す三木さんちの庭。


阿波は意外と山深く、渓流がとても綺麗!