2011.09.16 「天満天神繁昌亭5周年記念特別興行、大入満員!」

「えっ、もう5年も経ったの?」。これが私の偽らざる感想です。本当にあっと言う間の5年でした。三枝お兄さまが上方落語協会の会長となり、「寄席を作りたい」との思いを述べられ、当初は「無理やで」という意見が多数を占めていましたが、会長の思いが次第に多くの人に伝わり、寄席小屋開設の実現を支援する方々から総額なんと2億円ものご寄付が集まり、天満天神繁昌亭がオープンする運びとなりました。次の心配は運営でした。「果たして、お客さんが続くやろか?」。しかし、この5年間、日によって多少の増減はあるものの、経営に支障をきたすことなく、今日まで繁昌してまいりました。これもひとえにお客様のお蔭だと、改めて感謝申し上げますm(__)m

 

5周年を迎えた9月15日(木)の特別興行は三回公演にも拘わらず、入場券はすぐに完売。立ち見が出る賑わいとなりました。公演ごとに出演者は変わるのですが、毎回共通の出し物が、噺家による爆笑歌舞伎。昨年は『白浪五人男』をやり、私も忠信利平役で出させていただきましたが、今年は私は歌舞伎には参加せず、夜の部に落語を一席しゃべった後、客席の後ろから楽しく歌舞伎を見物していました。今年の出し物は「勧進帳」を基調とした『滑稽・安宅の関』。作・演出・演技指導は林家染丸教育長です。笑いあり、ずっこけありですが、長唄連中は春若兄さんを初めとする噺家連。そして、八方兄さん扮する富樫左衛門、三枝会長扮する武蔵坊弁慶、染丸兄さん扮する源義経はすべて本物のこしらえです。歌舞伎メークを施され、堂々たる衣裳を着て楽屋を歩かれると、邪魔で邪魔でしょうがない…いや、皆さん素敵でしたf(^_^; 歌舞伎の舞台に比べるとうんと狭い寄席の舞台で、よくもあれだけ動けるなあと感心しました。弁慶が勧進帳を読む件りでは、会長が繁昌亭建設までの経緯を述べられ、ホロッとしてしまいました。

 

爆笑歌舞伎が終わり、中入後は再び落語が続きます。夜の部のトリは、鶴瓶兄さんが『死神』を出されました。鶴瓶さんの『死神』は、ロウソクの火が消えた後も少し続くのです。最後に天上界で巡り会うことになるという筋立ては、実に幻想的で、お芝居を観たかのような気になります。

 

終演後は、天神橋筋商店街の中華料理屋「興発楼」で祝杯を上げました。二次会は一日大活躍だった三味線の中田まなみさんを労うべく、彼女の旦那の春雨くんやあさ吉くん、そして弟子の團治郎も一緒に向かいのバーで夜遅くまで盛り上がりました(^ー^)

 

ご来場下さいましたお客様、本当にありがとうございました!

 
楽屋でパチリ。富樫の八方サン、義経の染丸サン、弁慶の三枝サン…決して吉右衛門サンではありません。
ちなみに、富樫は小梅太夫ではありません。

 
打ち上げの席で、鶴瓶サンと秘密の話をしながらパチリ。
どんな話か知りたい方は、宴席にいた人を探して話を訊いて下さい。