2010.11.09 「米朝師匠の誕生日」

11月6日は、父でもある我が師匠、桂米朝の85歳の誕生日でした。尼崎市武庫之荘の師匠宅に直弟子が午後6時頃から続々と終結。私も、ざこば兄が席亭を勤める動楽亭昼席を終え、武庫之荘に直行しました。皆がいろんな料理を持ち寄っての酒宴です。

始まって二時間ほど経った時、ざこば兄さんが「よっしゃ、今から可朝にいちゃんに電話しょう」と言って電話をかけたところ、「今からそっちへ行く」との返事──。一同歓声を上げました。月亭可朝さんは米朝一門なのですが、微妙に立場が違っていて、元、先代の林家染丸師に入門するも一年で破門され、米朝の預かりとなった方なのです。その時の芸名が桂小米朝。当時、私は生まれてまもない頃で、その時の小米朝さんに私は子守りをされていたのです。行き先はアルサロ! その話は次回に譲るとして…、その小米朝さんはほどなく、かつて上方の大きな亭号であった月亭を復活され、月亭可朝と名乗るようになりました。芸風・私生活ともに破天荒ゆえ、米朝一門の集まりには滅多にお越しにならず、米朝宅にもここ10年ほどは顔を出しておられませんでした。その可朝兄さんが来るとあって、家中に大きな興奮が渦巻いたのです。

清酒「剣菱」を持って颯爽と登場した可朝さん。その姿を見ただけで、ざこば兄が号泣。それから二時間、可朝兄さんの独演会…ならぬ、毒舌話が続きました。野球賭博の話、拘置所の話、昔のお囃子さんの話…。一つ一つが奇想天外で、しかしとてもリアル。皆、涙を流しながら笑い続けてました。一応のお開きが夜中の12時。6時間も騒ぎっぱなし! でも、この日は、同じ時間帯にちょうど同じ時間だけ、日本シリーズの中日・ロッテ戦をやってました。もちろん我々よりも野球選手のほうが本気度は上でしょうね(^^ゞ