小米朝流「私的国際学」<7>(2001年2月17日)

米原子力潜水艦によって「えひめ丸」が沈没するという誠に痛ましい事故が起きた。それと同時に、一斉に森たたきが始まった。ワイドショーは「森さんが辞めたら景気は回復する」と叫び、党首討論も同じことの繰り返し。見ていてうんざりする。

じゃあ、次、誰が総理になるの?それを決めた上でバッシングしないと、日本丸まで沈んでしまうよ。確かに森首相はゴルフと料亭の好きな凡人の代表。常識に欠ける所も多少はある。でも、ほかに誰がいる?国会議員の中で、一人でもいいから「私が総理ならこう対処しました」と言ってよ。おそらく、ブッシュ大統領にアップかませられる人っていないんじゃないかな。それがこの国の現状なのだ。だったら、日本の総理はそれをそのまま国会で喋ればよい。

「あきまへんねん。相手がアメリカの軍艦でっさかい。所詮、日本は敗戦国でっしゃろ。宗主国の軍人は治外法権でんがな。沖縄で何されても身柄拘束でけしまへん。日本の領空でさえ民間航路はムチャクチャ制限されててニアミスの連続ですわ。在日米軍の駐留費の七割は〝思いやり予算〟とやらで日本が払てんねんけどなあ・・・。大体、政府はアメリカの国債を20兆円も買うてまんねんで。1970年に30年もんを買い込んだ途端に変動相場制にされて、1ドル=360円やったんが、120円ですわ。元本が三分の一になりましたんや。〝損してもええから米ドル債を売りたい〟っちゅうた橋龍さんは即おろされました。まぁ、オリンピックの時だけでも〝日の丸〟を振らしてもらえるだけ有り難いと思わな、あきまへんねやろなぁ。けど、アメリカは格好ええ国やし、そのうち誰ぞ誠意を見せてくれはりまっしゃろ」

これがCNNで全世界に放映され、後は静観するだけ。対等に握手してきて何も実らなかったのだから、この際、なにわあきんど型外交に切り替えよう。

※一言追加…あれから10年経った今、1ドルが75円あたりを動いています。米ドル債を売る前に、日本政府は密かに輪転機を回し、紙幣をどんどん印刷して、全国民に10万円ずつプレゼントしましょう。「皆さん、日本国のために頑張って下さり、ありがとう」という意味の報奨金です。国家予算から配るのではなく、あくまでもそおっと印刷して配るのです。いつのまにやら12兆円ほどの増刷。一挙に円安に触れます。そうしておいてから、米ドル債を(これもそおっと)売りましょう(^ー^)