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桂小米朝の「新・私的国際学」<36>(2004年1月11日)

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先週、月面着陸の映像の真偽について書いた途端、今度は「無人火星探査車スピリットが火星に着陸した」というニュースが飛び込んできた。新聞もテレビもトップ扱い。そりゃそうだ。日本もヨーロッパも失敗した火星着陸に、アメリカだけが成功しているのだ。『ニュースステーション』に至っては「今度はハリウッドじゃない」というテロップを出したほど・・・。えっ!?今度はホンマやろなあ・・・。私は冷静に検証してみることにした。

NASA(米航空宇宙局)の発表によると、スピリットの打ち上げは昨年の6月10日。今年の1月4日に着陸したから、208日間の長旅をしたことになる。地球から火星に至るまでの飛行距離が4億7800万キロ。日数で割ると、毎日230万キロ飛んでいる勘定だ。これは時速95700キロ。すなわち、マッハ78。コンコルドの39倍のスピードなのだ。想像だにできない。まさに天文学的数字!この速度なら小石ほどの隕石に当たってもかなりの衝撃となると思うが、幸いにも軌道がずれることはなかった。

ところで、火星の大気圏突入時の速度は18000キロ/時と発表されている。すなわち、マッハ15。いつどのように減速したのだろう。やはり、逆噴射か・・・。

しかし、マッハ15といえどもコンコルドの7倍の速さだ。そのスピードで地球よりはるかに薄い大気圏(地球の1/100=ほとんど二酸化炭素とされている)に突入したのだ。おして、図解の通り、中から探査機が出てきて、パラシュートと逆噴射とエアバッグを駆使して着陸。地面を約1キロ転がったにもかかわらず、計器が作動したのには驚くばかり・・・。

この間、約6分。地球からの遠隔操作のタイムラグは10分あるので、一連の手順は探査船のコンピューターが自発的に大気圏突入を察知し、自分で行動を起こしたことになる。この辺のデータを開示していただいたら、日本も追随できるに違いない。

何はともあれ、一日も早く、火星から見る満天の星空の映像を見たいものだ。