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2011.10.25 「南座で声かけられて…」


24日(月)は京都の南座に歌舞伎を観に行きました。坂田藤十郎・中村翫雀・中村壱太郎…親子三代にわたる競演に、中村橋之助さんが加わっての晴れ舞台。最後の出し物、翫雀・壱太郎親子による豪華な『連獅子』に満足し、さぁ帰ろうと座席を立った瞬間、近くのおばさま…というより、おばちゃんが「あぁ、やっぱりそうや。あんた、あれやな」と話しかけて来られました。この手の声掛けは少し不安がよぎるものの、ママ慣れているので、「はい、米團治です」と答えたら、「やっぱりそうや。私、昔からよう観てましたんやで」「ありがとうございます」「けど、あんた、テレビで見るより老けてるなぁ」「えっ…、はぁ…そら、もうすぐ53歳ですから…」「まぁ、がんばっとくなはれや」と言い残して立ち去って行かはったのです。私はそこに倒れそうになりました。しかし、ほかにもお客さんがぞろぞろと歩いてはるので、倒れる訳には行きません。何とかようよう南座の外へに出る頃には、10歳ほど老けてしまったような気がしました。

 

今までは「テレビより若う見えますなぁ」とか「実物のほうがよろしいなぁ」と言われ慣れていただけに、この一言はショックでした。でも、仕方がない。時代は疾風のごとく過ぎ去ります。人間、老いを受け入れねば行けないんですね。とは言うものの、やはり芸人は若く見られたいという欲があります。

 

そう言えば、それ以前に、米團治の認知度の低さを痛感する今日この頃です。この日も、休憩時間に私のことを囁くおばさま方の会話は「あの人やで、米朝さんとこの…」「あぁ、小米朝かいな」てな調子です。皆さん、私は3年前に米團治を襲名したんです。しかも、この南座で…。何卒、ご認識のほど宜しくお願い申し上げます。

 

自分自身、もっと努力が必要ですね。来月1日、大阪・千日前のトリイホールで開かれるTORII寄席は私のプロデュース公演。トリで『三枚起請』を演じますが、溌剌とした若い米團治をお見せしますので、お声掛け下さったどこぞのおばさま、ご期待下さい☆☆☆

  
若返りを目指すどこぞの噺家。たぶん娘には「きも」って言われるやろなぁ。