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「言いたい放談」<4>(2007年5月25日)

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昨今、ちょっとした落語ブームが続いています。きっかけは危機感からだったと私は思います。


東西の人気者、古今亭志ん朝さんと、桂枝雀さんが相次いで他界。これからどうなるのだろうと不安がよぎった時、林家こぶ平というピンチヒッターが現れました。彼は観客が予期せぬ古典を熱演。『景清』『子別れ』といった大ネタに私も涙しました。まさに逆転満塁ホームラン。ほどなく林家正蔵を襲名し、お練りには14万5千人もの群衆が参集。陰の立役者、いわば監督は春風亭小朝さん。次々と新機軸を展開し、毎年7月に開かれる大銀座落語会にはわれわれ上方の噺家も招かれるようになりました。


それと呼応するかのように、落語を題材とした番組が登場。ドラマ「タイガー&ドラゴン」に、映画「寝ずの番」。今年の秋からはNHKの朝ドラで「ちりとてちん」が始まります。そして明日、映画「しゃべれどもしゃべれども」が封切り。


先日、試写を見て感動。出演の方々がここまで落語に心酔して下さったとは・・・。師匠役に伊東四朗さんは堂に入っているし、八千草薫さんも下町の情緒たっぷりだし、何より国分太一クンのうまいこと!私は映画を見た後、落語のけいこを始めました。「うかうかしてられへん」とね。そうそう、子役の森永悠希君も枝雀さんの面白さを見事に伝えていました。


手前味噌ながら、落語ってすごいなぁと改めて思います。お客は演者を見てるのに、同時に脳裏に無限の映像を描くのです。想像力が織りなす共同作業。ぜひ一度、生で体験を!